死んでもいいのよ。

いしがきりーん
かくこともないので、最近かき損じたチャラ男やナオヤをまるっとおいていこうと思ったんだけど…いっこ、もうなんも手をつけられない(ほどひどい)やつだけおいていく。
血の滴るナイフを認めた目が揺らぐのを見た。
「ころしちゃったの?」
「うん。」
そう、と返した顔が歪むのを見た。口端を上げようとするも軋んで痛々しい表情にしかならないようだ。やがて諦めた様子で息を吐いた。
「ナオヤくん、駄目だ。」
彼が去るのを受け入れる覚悟をしてあの目を見た。
「そんなに顔を青くしてちゃ、気が滅入ってしまうよ。笑って。」
震える手が肩に置かれた。
俺はこの人とふたりきりになりたいのだ。
その手を取って口づけた。
シャワーを浴びたのち再び眼を窺うと、彼は好色そうに微笑んだだけだった。
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