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シナリオ8捧げられしもの 魔王モロクを倒せ

 ウリエルが言うように、A.G.Eの得体のしれない企みを妨げなければならない。そうでなくてもA.G.Eが親父に作らせた悪魔召喚プログラムを濫用したことで俺たちは危険にさらされたのだ。許せるわけがない。俺とキルフォートは渚と晴臣に連絡を取り、再びのA.G.Eビルへの侵入を提案した。
 A.G.Eビルに辿り着く直前、一人の男が俺たちの目前に立ちはだかった。
「私は三神秀作。A.G.Eの最高責任者だ」
「あんたが最高責任者!?なんで俺たちの前に…」
「君たちの無駄を諭すためだよ。もはや計画は止めようのない段階まで来ている。今更真相を探ったところで徒労にしかならんよ」
「徒労かどうかの判断材料を、アナタが提供してくれるのかな?」
「ふふ、知りたいというのなら教えよう」
「我々A.G.Eの計画は『魔都創世』…このNEOTOKYOに魔界を現出させる計画だよ」
「なんのメリットがあるんだ?俺たち人間にとっては意味のない苦しみが増すだけじゃないか!」
 俺は悪魔に乗っ取られた母さんを思い出していた。俺が殺したのは悪魔だが、母さんであったものなのだ。
「そんなことはないさ。悪魔たちは飼い慣らすことができるのだから。現に君たちは既に悪魔を使役しているだろう?」
 三神秀作は俺たちのリストモバイルを顎で示した。
「それだけの器を持つ人間を集めれば、魔界で一大勢力を築くことも夢ではないのだよ」
「そんなことがアナタたちの狙いか?」
「ははは、あくまで例え話だよ。我々が考えているのは悪魔の持つエネルギーの利用だ。彼らの持つエネルギーは極めて高密度で純度の高い素晴らしいものでね、それを人類の為に使えばこの世のエネルギー問題など瞬く間に解消されるだろう」
 三神秀作は乾いた笑いを添えて理想を語った。この男は希求から禁忌を犯したのだ。
「救世主にでもなるつもりか?」
「おやおや、心外だね。我々は既に救世主のつもりだよ」
「NEOTOKYOにおいて新たな世界の道筋を示しただろう?…運がいいのだよ、君たちは。我々の計画の最前線に立って、この先の実りを頬張れるのだから」
「運がいいだって?それは聞き捨てならないね。何度も死にかけているんだよ」
「君たち自身は、死にはしなかった。この世界でた。運がいいと言って間違いない」
 ついに俺の不安は爆発した。逆上して三神に詰め寄った。
「ふざけるな!訳も分からず利用されて、母さんを殺されて…!きっと親父だって生きちゃいないだろう!何が運がいいだ!」
「ふふ、君の父上なら死んではいないよ。勇二くん…まあもっとも、生きていると呼べる状態なのかはわからないがね」
 俺に胸ぐらを掴まれたまま、三神は笑った。俺は混乱して叫んだ。
「なんだよ、それ…訳が分からねぇよ!」
「いいのだよ、それで。すべてを理解しようなど愚かな人類の傲慢なのだから。 君たちには魔都創世の後、働き所が用意されている。それでいいじゃないか」
三神は力付くで俺の手を払いのけた。よろけた俺の背を支える腕があった。キルフォートは俺に代わって三神に問うた。
「ボクたちが素直に言うことを聞くとでも?」
「ならばどうする?魔界となったNEOTOKYOで、その身ひとつで生き延びるかね?そんなことできやしない、君たちに選択肢などないのだよ」
 君たちに選択肢はない、先にベリアルにもそう言われ、そして俺たちは敗北したのだった。
「いや、選択肢は…ある!ここでお前を人質にしてA.G.Eに乗り込んで計画を阻止してみせる!」
 キルフォートと共に立ち、三神に拳を突きつけた。
「この私を倒して再び私の前に立ってみせたまえ」
三神が右手を上げると、蛇の体と牡牛の頭、4つの手を持った緑色の魔王モロクが現れた。悲しいな人の子、とモロクは俺たちを哀れんだ。
「意地とも言えぬ意思で、零れ落ちる時をその手で受け止めるのか?その手に何も残らぬとしても…いや、違うか…無駄を成すのが人の子の運命か。ならばこのワシが、お前たちのあがきも叫びも食ろうてやろう!」
 モロクの合図で多数の悪魔たちが湧き出てくると同時に俺たちはリストモバイルを起動した。こうなったら人質にはできない、まずはこの場でモロクを倒すのだ。
「来るがいい!絶望の中であがく者たちよ!」
 俺たちは泉を拠点に固まって戦った。トゥルダク、フォルネウス、順々に目の前の悪魔を凪ぎ倒していくと、やや遠くにふんぞり返るモロクが見えた。
 キルフォートがのリストモバイルから光が溢れ、ウリエルが召喚された。キルフォート以下に残った敵を任せ、俺とウリエルはモロクに向かっていった。
 炎をかいくぐり懐に入ったあとは、今までやってきたように肉弾戦だった。何度も何度も叩きふせられたが、そのたびに上空のウリエルが回復魔法を唱えた。
 あるときを境にモロクの動きが止まり、仰け反ったかと思うと、あらぬ方向へ倒れこんだ。
 ウリエルと頷きあったあと、ゆっくりとキルフォートの方へ戻った。悪魔を一掃し終わっていたキルフォートはほっとしたようすで笑った。
『…勇二くん!』
 すぐ渚から通信が入った。渚は興奮した声色で、大変なことになっているからすぐ合流してほしいと訴えた。
 「MOON」の実践的運用がA.G.Eの言っていた計画の最終段階であり、俺たちがEXTOKYOから見た、NEOTOKYOで上がった光の正体は「MOON」の運用実験だったのだと渚は言った。
『「MOON」は人工的に満月を造り出す巨大な装置よ。魔都創世最後のパーツらしいわ』
 悪魔が最大に力を発揮する満月を人工的に創り出し召喚プログラムを応用した変換技術を用いてエネルギーに変換することで、魔界をこの世に呼び出すのに必要な、絶大なエネルギーを産み出そうというのだ。
「悪魔さえ利用するなんて…何者だい、あの三神という男」
『分からないわ、ただひとつ確かなことは、彼らが魔王と呼ばれる存在を従えていること。…いえ、手を結んでいると言ったほうが正確かもしれないわね』
「…そうか、それで悪魔たちの動きが統制されていたのか」
 キルフォートは頷いた。今し方の戦いや、巣鴨プリズンでの戦いを思い出したのだろう。そして魔王はこれからも俺たちの前に立ちはだかるに違いない。
「…けど、何を交渉材料に魔王と取引ができたんだろう?半端なものではないはずだよ」
『それは…分からない。私にも彼らの計画の全貌が分かっているわけではないのよ』
 渚は険しい声になった。
『分かっているのは、一刻も早くMOONを止めないと、取り返しがつかないっていうことだけ』
「分かった。俺たちもすぐ合流するよ」
 傷をかばいながら、キルフォートと二人で歩き出した。


(レベル20)(レベル14)

外せない茶番がやたら長いので無駄な動きを入れてみましたよ。序盤の山場っぽいのでセリフを写すのに何時間掛けたか。3時間です。
この人たち素手で悪魔倒してるんですけど。
モロクメガ2っぽくてかわいいね。
ていうかキルフォートが会話うながしたり爆弾ほうりこんだりもう彼が主人公でいいです。

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