シナリオ7千年王国の啓示 敵を全滅せよ
「キルフォートの意見に賛成だ。A.G.Eに個人の力で太刀打ち出来るとは思えない」
「大丈夫、きっと協力を得られるさ」
晴臣は好きにすればいいと言ったが、どうしても立ち行かなくなったときは連絡してこいとも言ってくれた。
巣鴨プリズンで渚と晴臣と別れ、キルフォートとともに旧品川に向かった。
旧品川はEXTOKYOで唯一法による支配が守られた街で、人々は『千年王国』の建設を合い言葉に日夜神の名を呼び祈りを捧げているということだ。
祈りの輪の中にキルフォートが加わってしまい、俺は手持ち無沙汰ぎみに周りを見回っていた。数時間後、人々の頭上に光が降り注ぎ、熾天使ウリエルが舞い降りた。
人々が歓喜に湧いたのも束の間、NEOTOKYOの方角に人工的な光が立ち上り、そちらから無数の悪魔が溢れ出てきた。確実に俺たちの方へ向かってきている。
「まさかこの目で神の使いを見ることができるなんて…」
「キル!今は感慨に浸ってる場合じゃないだろう!悪魔の大軍がすぐそこまで迫ってるんだぞ!」
「わかっているよ、勇二。だが見たまえよ、あの威容、美しさ…」
うっとりとしているキルフォートを揺さぶったが、涙ぐんだ目は熾天使ウリエルに釘付けられている。
つられて俺もウリエルを見やると、黄色の鎧を着た青い天使はゆっくりと悪魔たちの方へ向かっていっていた。キルフォートが、おぉ、と感歎する。
「さぁ、ボクたちも神の子としてウリエルに続くんだ!」
今度はキルフォートが俺の手を引く番だった。
悪魔たちは今まで見た中で一番多く、俺とキルフォートは悪魔を路地に誘い込んで挟撃したり、ビルの陰から騙し討ちしたりして着実に倒していった。
辺りを見回って悪魔がすべていなくなったか確かめていると、目の前にウリエルが現れ、また感涙を零しそうになっているキルフォートに語り掛けた。
「私と共に来るか?来るべき千年王国のために」
「もちろんです!キミも行くだろう、勇二?」
俺は口ごもった。ウリエルが味方につけば心強いし、そのためにここへ来た。しかし俺はメシア教徒ではないから、千年王国の理想に一も二もなく飛びつくことはできなかった。
「答えを見つけられぬか。ならばひと時、私とともに来るとよい。身の程を知らぬ人の子の所業を鎮めた後、改めて聞こう」
俺とキルフォートが切り離せないと知ってか、ウリエルは俺を捨てようとはしなかった。キルフォートは少し寂しげに見えたが仕方ないと思ったのだろうか、俺の意思を尊重してくれた。
「では、ひと時をあなたのお側で…」
キルフォートが自らのリストモバイルを恭しく差し出すと、ウリエルは満足げに吸い込まれていった。
「さあ勇二、NEOTOKYOへ戻ろう!」
(レベル18)
泣きました。ウリエルが…好きなの…!キルが私すぎる。しかしキルかわいいな。
真1だったら迷い次第殺されてますがハハハ。
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